木島櫻谷 写生帖

本サイトについて

本サイトは、近代京都の日本画家木島櫻谷(1877-1938)の写生帖を集成するものです。
櫻谷の遺品資料を保管してきた公益財団法人櫻谷文庫には、現在、600冊あまりの写生帖が伝わっています(現在、泉屋博古館寄託)。それらは櫻谷手製の和紙帖と市販の西洋式スケッチブックとに分けられ、前者は10代後半から30代半ばまでの前半生に、後者は30歳前後から後半生にかけて多く用いています。内容は動物、花鳥、風景、人物、器物など多岐にわたります。
懐には常に写生帖と矢立があり、暇さえあれば写生に出かけたという櫻谷。遺された写生帖をめくることは、櫻谷が何に惹かれ、いかに理解し、描きとっていったか――その「目」と「手」、そして「心」の階梯をたどることでもあるようです。これまで櫻谷文庫と泉屋博古館で進めてきた調査をふまえ、将来的には写生帖全頁のデータベース化を目指しています。その手始めとして、まず風景を描く大判の40冊をとりあげます。データベース公開により、多くの方にその魅力が伝わること、そして様々な角度から分析が進むことを期待します。

公益財団法人泉屋博古館・公益財団法人櫻谷文庫

木島櫻谷について
木島櫻谷(1877-1938)

明治10年(1877)京都生まれ。16才で今尾景年に入門、京都画壇の伝統を基礎に西洋画法をもとりいれ、卓越した運筆技術と、自然観察と抒情の調和する平明かつ洗練された画風で高く評価された。明治40年にはじまる文展の花形として活躍、京都画壇を代表する一人に数えられた。晩年は30代で建設した京都郊外の衣笠の自邸で詩書画に親しむ文人的生活を送った。山水、花鳥、人物いずれにも優れるが、ことに動物画で名高い。代表作に《しぐれ》(明治40年 東京国立近代美術館蔵)、《万壑煙霧》(明治43年 株式会社千總蔵)、《寒月》(大正元年 京都市美術館蔵)、《駅路之春》(大正2年 福田美術館蔵)がある。
参考文献:実方葉子『木島櫻谷 画三昧への道』(東京美術 2022年)、『特別展 木島櫻谷―山水夢中』(泉屋博古館 2022年)

凡例
  • 本サイト掲載の木島櫻谷による写生帖は、すべて公益財団法人櫻谷文庫の所蔵品である。各冊に付された5000番台の数字は、同文庫の整理番号である。
  • 本サイトのデータベースは文化庁令和四年度文化振興費補助金・Innovate MUSEUM助成事業「近代京都―日本画の制作・鑑賞・流通をめぐるネットワークの再構築」の一環として、公益財団法人櫻谷文庫の協力のもと、公益財団法人泉屋博古館が企画作成した。
  • 画像はすべて株式会社サビアが撮影した。カメラとサビア社製アートスキャナを併用した。
  • 本データベースの編集は、実方葉子(泉屋博古館学芸部長)が担当し、中野ふくね(京都市立芸術大学大学院博士課程)が補助した。
更新履歴
2023年3月
サイト公開
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